ツイッターで言論統制が「あった」−マスク氏が煽り、米で騒動に
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日本で取り上げられない騒動
アメリカの保守系メディアとSNSでこの1週間盛り上がっているが、日本では伝えられない話がある。ツイッター(twitter)の言論統制の疑惑だ。
アメリカのリベラルメディアが無視し、それを翻訳しかせず、現地取材をしない在米日本のメディアや寄稿者が伝えないために、日本であまり広がっていない。それを紹介してみよう。
米国のジャーナリストであるマット・タイービ氏(アカウント)が12月2日、連続ツイートでツイッター社の内部文章(彼はツイッターファイル」と呼ぶ)を連続投稿。11月から同社経営者になったイーロン・マスク氏がそれを拡散している。マスク氏周辺が、この文章を提供したのだろう。マスク氏は「言論規制の文章を公開する」と数週間前からツイッター上で述べていたが、会社としてではなく、外部ジャーナリストを使って行ったようだ。
そのツイートの始まりで、「さあ、やろう」(Here we go!!)とマスク氏は、投稿を煽っている。
この人は140万人もフォロワーのいる暴露系の発言をするジャーナリストだ。以前はリベラル擁護だったが、最近はそのリベラルの偽善を批判する記事が多いようで、ネットを主戦場にしている。
大統領選でバイデン候補に忖度したツイッター社
これは2020年10月のニューヨーク・ポスト紙の報道をめぐり起こった問題だ。この新聞は、タブロイドと呼ばれる生活情報、時にはセクシーな記事も出す新聞だが、硬派の報道をするときもある。ニューヨークで販売されている。
当時は大統領選挙の最中だった。同紙は、バイデン現大統領の息子のハンター・バイデンをめぐる疑惑を報じた。ハンターがウクライナと中国で、父親の影響力を使って、2014年ごろビジネスを進めようとしていたというメールや文章を公開したものだ。2014年にはウクライナで親ロシア政権が倒れる政変が起こり、バイデン氏は副大統領だった。同氏が自分の息子のために、その政変を後押し、影響力を行使したと受けとられかねない問題だ。
ツイッターには、話題になっているキーワードを表示する「トレンド」、投稿をフォロワーに広げる「リツイート」など、投稿を広げる仕組みがある。それで情報が拡散される。ツイッター社は、こうした仕組みを操作し、このポスト紙の報道が広がらないように抑制したという。
これは、当時のCEOのジャック・ドーシー氏が知らないところで行われた。彼は後にこの記事の抑制が誤りだったと、社内などで述べていた。ツイッター社員には民主党員が多く、それに配慮しがちだったという。この一連の投稿はリベラル系の活字メディアの扱いは小さい、もしくは報道しないが、SNSや保守系のFOXニュースや個人のブログでは「リベラルの言論統制だ」と、騒ぎになっている。日本にも良く似た構図がある。
ツイッターの人為操作が証明された
私の英語力はかなり低いが、こうした英文ニュースを読んでその意味を考えてみた。「ツイッターの人為的操作は証明されたが、それほど影響はあったかな」と、判断している。
タイービ氏は、ニューヨーク・タイムスなどのリベラルメディアを読むと、批判的に扱われている。確かに大げさな表現をする人だ。ツイッター社内の問題をめぐる一連のやり取りを「人間が制御不能になったフランケンシュタイン的物語」と述べていた。当時日本で、私はニューヨークポストのサイトに、米国の保守系政治家のツイートを読んで、飛んだ記憶がある。この騒動は、米国保守派が騒ぐほど、大統領選挙に影響を与えたとは思えない。
ただ、多くの人が以前から想像した通り、ツイッターが人為的に情報の流通を統制していたことが、一連の文章で明らかになった。マスク氏が経営者になってこうした規制をやめた。そして奇妙なトレンド形成や左派系記事の推奨がなくなっていた。
制約が消えた言論の心地よさ
私は保守的な考え、ただしそれは人権擁護と経済活動の自由のために小さな政府を求め、人間は失敗し、理性には限界があるという欧米的な保守の考えを持つ。日本の復古主義、愛国主義的な保守とは違う。そうした立場から見ると、リベラル偏重が消えてさまざまな意見が流れるようになったツイッターの変化は心地よい。
これは立場によって、考えが違うかもしれない。ツイッターでは差別表現が増えたなどの指摘もある。もちろん私は放埒な言論の自由による人の誹謗中傷を認めるわけではない。
しかし情報を止めることよりも、自由に流通させ、その評価を人々に委ねさせることの方がさまざまな良い変化をもたらせるように思う。より多くの情報によって、人々の思想や行動の選択肢が増えるのだ。
ツイッターの画面の傾向の変化を見ながら、私は言論の自由のありがたさを感じている。
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