テロ組織PKK指導者オジャランの組織解散の声明(解説記事の補足資料)

ジャーナリスト

PKK(クルド系テロ組織)指導者であるオジャラン受刑者の2月27日に公開された和平と、組織解散の呼びかけ。原文はクルド語で英訳からの石井仮訳。

私の注目点は、事実上自分たちの分離独立の武装闘争路線が破綻したこと、またクルド人の社会的地位がトルコで改善したことを認めていることの2点だ。それにより、民主主義的手法の採用、武装闘争の終結、PKKの解散を呼びかけている。

記事「テロ組織クルド労働者党(PKK)、指導者が解散声明-埼玉クルド人問題への影響は?

 

(写真)関係者が公開したオジャラン(中央)

オジャランの声明

PKK(クルド労働者党) は、20 世紀、人類史上最も暴力的な時代、2 つの世界大戦の後で、社会主義が現実に存在した時、そして世界中の冷戦の影響の下で誕生しました。

クルド人の現状の完全な否定、基本的な権利と自由、特に表現の自由の制限が当時あり、PKK の出現と発展に大きな役割を果たしました。

PKK は、採用した理論、プログラム、戦略、戦術の点で、20世紀の厳しい現実と現実に存在した社会主義の体系の下にありました。1990 年代、社会主義の内部からの自己作用による崩壊、トルコ国内のクルド人アイデンティティの否定の解消、表現の自由の改善により、PKKの基盤的意義が弱まり、過去の行為が過剰にも繰り返されてしまいました。

1000年以上の歴史を通じて、トルコ人とクルド人の関係は相互協力と同盟という観点から規定されています。トルコ人とクルド人は、覇権国家に対抗して生き残り、存在を維持するために、この自発的な同盟を維持することが不可欠であると認識してきました。

資本主義近代の過去200年間は、主にこの同盟を破る動きで特徴づけられます。それに関係するさまざまな集団は、階級に基づく利益に沿って、この目的を推進する上で重要な役割を果たしてきました。

トルコ共和国が統一的組織であるという一元論的解釈をしたことにより、この動きは加速しました。今日、主な課題は、友愛の精神を持つ信念への配慮を排除することなく、極めて脆弱になったトルコとクルドの歴史的関係を再構築することです。

民主的な社会を作る必要性は避けられません。共和国史上最長かつ最も広範囲に及ぶ反乱および武装運動であるPKKは、社会的基盤と支持を獲得し、主に民主的な政治のチャネルが閉ざされたという事実に触発され、拡大しました。

(PKKが追求した)極端な国家主義的逸脱、つまり独立国家、連邦制、行政自治、文化主義的解決法などの必然的な帰結は、歴史社会学に対応するものではありません。(注・間違いだったと認めたということか?)

アイデンティティの尊重、自由な自己表現、社会の各セグメントが独自の社会経済的および政治的構造に基づいて民主的に自己組織化することは、民主主義社会と政治空間の存在によってのみ可能となります。

2世紀にわたり存在するトルコ共和国、民主主義をその支配的原理としてのみ、永続的で同胞的な継続性を達成し、保証することができます。政治システムの追求と実現において、民主主義に代わるものはありません。民主的な合意が基本的な方法です。

平和と民主社会の時代の言語は、この現実に合わせて開発される必要があります。

デヴレト・バフチェリ氏(注・トルコの保守派の政治家)の呼びかけ、エルドアン大統領の意思表明、そしてこの呼びかけに対する他の政党の肯定的な反応により、私が武器の放棄を呼びかけ、この呼びかけの歴史的責任を負う環境が整いました。

力によって存在が廃止されていない現代のコミュニティや政党が自発的に行うように、議会を招集して決定を下してください。すべてのグループは武器を放棄し、PKKは解散しなければなりません。

共存を信じ、私の呼びかけを待ち望んでいるすべての人々に挨拶を申し上げます。

2025年2月25日

アブドラ・オジャラン

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