NHKがクルド人特集で映像を勝手に編集、ヘイト捏造の疑い-被害男性が提訴

ジャーナリスト

ネットに公開した映像をNHKが無許可でドキュメンタリー番組に使用し、さらに勝手に音声を入れ替えて在日クルド人差別をしたように編集して報道されたとして、男性が330万円の損害賠償を求めて、東京地裁に11月4日付で提訴をした。自らの著作権、人格権を侵害していると、この男性は主張している。

(写真1)NHK特集の一部画像キャプチャー

ETVの埼玉クルド人問題をめぐる特集で改ざん

訴状や弁護士によると、問題になったのはNHKのETVで25年4月6日に放送された「フェイクとリアル:川口クルド人問題の真相」というドキュメンタリー番組だ。男性は「2024 2 18自爆テロを支援するクルド協会は日本に要らないデモin川口」という映像を「よしを」という運営者名義の自らのYoutubeチャンネルに公開した。

この映像は2024年2月に在日クルド人が集住する埼玉県川口市、蕨市で行われたデモを撮影したもの。男性は、日本クルド文化協会(埼玉県川口市)や一部クルド人のテロ支援行為、不法滞在や違法行為に抗議するためのデモに参加し、それを記録したという。そして外国人やクルド人の人種や属性の批判、また外国人差別を行うためのデモではないとしている。

この協会はクルド系国際テロ組織のPKK(クルド労働者党)の旗を埼玉県内で掲げ、PKKの正当性を協会員が訴える広報をするなどの問題行為をしている。23年11月にトルコ共和国政府は、同協会と在日クルド人6人をテロ組織の関係者として、資産凍結措置を行った。

デモをめぐる映像を使い印象操作

このデモは、抗議をするためにこの協会が入るビルの前を行進した。そこにクルド人と支援する日本人らとの間で罵り合いが起きて、現場は混乱状況になった。その場面の映像を使った。ところが、Youtubeでは「テロ組織を支援する日本クルド文化協会に抗議する」などと入っていた音声が入れ替わり、「即刻 強制送還せよ」とのこの撮影者の男性の知らない別の男の叫び声が字幕付きで流された。

(写真2)NHKの改ざん場面

同協会の入っているビルには、クルド人経営の飲食店が入っている。このデモによる騒乱の場面の前に、NHKのドキュメンタリーでは、この飲食店の経営者が真面目に仕事をし、「人々に幸せになってほしい」と発言している姿を映像で流した。そしてデモによる騒乱を映した。そしてその混乱の場面の後には、クルド人のこの店が盗撮される映像、またこの飲食店にかかってくる迷惑電話の音声を流した。「お前らクルド人が迷惑なんだよボケ」との、攻撃的な声が流れた。そして「日本から出ていけ」などとかかれたハガキを紹介した。

NHKはこの飲食店と無関係のデモを、あたかも善良なクルド人を攻撃するためのものであるかのように視聴者に印象付けようとしている。そしてこのドキュメンタリーでは、テロ組織と在日クルド人の関係を少ししか言及していない。これは倫理上問題だ。

(写真3)NHKが勝手に使った川口市内でのデモ

「NHKが著作権法に違反」との主張

男性は、NHKの番組での著作権の侵害を主張している。著作権法では「公正な慣行」に基づき著作物の「引用」が認められる規定がある(32条1項)。しかし訴状では、上述のようなクルド人を差別する悪い日本人がいるという印象を作り出すため、動画における音声の入れ替えを行なっている。訴状で男性側は、「著作権者の人格権(同一性保持権)及び財産権(翻案権)を侵害するものであり、「公正な慣行」に反する」としている。

同番組では引用した場面で「日の丸街宣倶楽部odyseeより」と引用先を示した。ところがこれは誤りだ。この団体は、このデモの主催団体で著作権者ではない。この団体にも、男性にも、NHKは使用の許諾を求めていない。意図的であるか、過失であるかは不明だが、NHKは著作権者をこの番組で正確に示していない。これも「公正な慣行」に反すると、男性側は主張している。

男性は「よっしー」というハンドルネームでXを行っている。そこでこの訴訟について「私達はPKKという国際テロリストに資金援助しているとみられるクルド文化協会や不法残留者に対して抗議しているのであって、デモ参加者が差別主義者と思われるように、視聴者に間違った印象を与え続けているNHKを断じて許すことは出来ません」と、提訴の理由を述べていた。(投稿

NHKはクルド人寄りのおかしな番組を作成、テロ支援

筆者はこのデモのYoutube映像と、NHKの番組の双方を見た。筆者の私見をいうと、この番組は、情報を改竄(かいざん)して編集しており、報道倫理上許されない。また訴状を見る限りでは、男性側の主張通りNHKは著作権法に違反している。

Youtubeの映像では外国人差別を主張するデモ参加者の発言を確認できなかった。一方で、このデモに対するクルド人、それを支援する日本人の大音量のヤジや騒音による妨害はひどいものだった。中指を立てる侮辱行為を行うクルド人、日本人がいた。しかしNHKの番組は、デモを一方的に悪いことをしたかのような印象操作をして、それに対抗するクルド人側の問題行為については伝えていない。他人の国の日本でそのようなことを行うのはおかしい。

ただし筆者は相手を挑発するような、そして埼玉に県外からわざわざきてデモを行う、開催者側の行動は問題であると思う。

外国人を批判するデモについて、筆者が話を聞く埼玉県民は、騒ぎが起こること、埼玉県で行われることを、誰もが迷惑に思っている。いわゆる右と左の立場に立つ政治活動家たち埼玉県に外からやってきて、外国人を巻き込みながら自己主張をして騒ぎを起こしている。多くの県民には迷惑で、「来るな」と批判している。私も同じ考えだ。

脅迫を誘発した問題放送、協力してNHKの責任を追及を

この「フェイクとリアル:川口クルド人問題の真相」の取材ディレクターは、NHKコンテンツ制作局(放送時点)の小黒陽平、青山浩平の両氏だった。私は2人の連絡先を入手しているので、電話をしてコメントを求めたがずっと留守電で返事はなかった。

このドキュメンタリー番組は、取材の稚拙さ、クルド人寄りの編集など、多くの問題のある内容であった。ここに登場した筆者・石井孝明など3人の日本人が、その後、匿名の人物から殺害脅迫を受けた。NHKの上記担当者2人にその説明を求め、放送の中止と訂正放送を求めたが、いまだに説明はない。私たちが襲撃されたら、責任をどう感じるのか。この番組はアーカイブ(NHKプラス、NHKオンデマンド)で見られなくなっている。

この番組の問題を説明する記事を筆者は2本書いている。

NHK報道をきっかけ? 批判された3人に殺害予告―テロ誘発のディレクター逃亡

NHKがテロや殺人未遂事件に関係する在日クルド人を支援、取材、報道、大炎上

NHKは、こうした倫理上問題のある番組を公共放送であるのに制作し、不法行為をするクルド人を支援する情報を流して埼玉クルド人問題を混乱させるばかりか、他人の映像を改変して著作権法に違反する疑いのある行為を行った。

ちょうど、英国の公共放送局のBBCは、9月放送のドキュメンタリー番組「パノラマ」で、トランプ大統領のスピーチを作為的に編集し、2021年1月の米連邦議会議事堂襲撃事件の暴動を明確に働きかけたように見せたとして、大変な批判を米英両国で集めている。それによって、会長と報道部門トップが11月9日辞任した。埼玉クルド人問題、外国人問題を虚偽の報道で混乱させたNHKの報道は、同じものだ。NHKは事実の解明を自ら行い、責任を認めるべきだろう。

この裁判で被害者男性の司法を通じた人権侵害の救済に協力したい。加えて、NHKの責任追及を、国会議員、関係者、並びに世論に訴えていきたいと筆者は考えている。読者の方の協力をお願いしたい。

石井孝明
経済記者 with ENERGY、Journal of Protect Japan 運営
ツイッター:@ishiitakaaki
メール:ishii.takaaki1@gmail.com

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2 件のコメント

  1. 浩沼静夢 より:

    PKK(今や残党と付けるべきか)と反日勢力(黒幕はMSS。支那のKGB)の結託に拠る言わゆる「クルドの闇」は政治・行政・司法・警察ありとあらゆる方面に深く根を張っています。マスコミもまた例外ではありません・・・・

  2. 浩沼静夢 より:

    高市首相の台湾有事に関する発言をキッカケに中国の反日姿勢が激化、とうとう「沖縄・釣魚(尖閣)は中国領」「安保理を通さず軍事力を行使できる」と日中開戦にまで言及するに至りました。そもそも反日勢力の黒幕としてさんざん侵略行為を繰り返してきた中国ですが、ここに来て遂に本丸が動き出したと言った所でしょうか。

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