声を挙げると「ヘイト」と攻撃受けた-立澤市議に聞く=越谷市クルド人問題(下)

ジャーナリスト

(上)なぜ? 農地に産廃の山」より続く。

外国人問題に直面する市議会議員の苦悩

埼玉県越谷市ではクルド人や外国人の解体業によってどのような問題が起きているのか。立澤貴明越谷市議会議員(40歳、自民党、写真)に聞いた。立澤氏は土地家屋調査士、測量士、行政書士の肩書を持つ。地元のまちづくりを進めたいという志から議員になった。

外国人問題に苦悩する地方政治家の声を、読者の皆さんは知ってほしい。立澤氏や越谷市民は、何の責任も落ち度もないのに、外国人を巡る国の政策ミス、そして警察、入管、行政の対応の遅れに翻弄され、生活をおびやかされている。問題解決に向けて、日本国民は越谷市民を支援しようではないか。

(注・問題になっている市西部地区の地名は出さないことにする。)

(写真1)立澤貴明越谷市議会議員

日本の秩序や制度を無視する外国人

問・越谷市で何が起こっているのでしょうか。

立澤・昨年ごろから、越谷市西部のある地区の住民の方から、解体業者のトラックの暴走、異臭、野焼き、産廃の不法投棄の訴えがありました。不法投棄などの犯罪行為は警察などが捜査中です。迷惑行為を指摘される解体業の経営者、もしくは実質的な経営者の中に、トルコ国籍のクルド人がいるようです。また一昨年ごろから、越谷市内でヤード(建設業・解体業の資材置き場)を開設するクルド人を含めた外国人が増え、それに伴う苦情も市内各所で出ています。

私もそうした問題の場所を視察しています。不法投棄などの法律違反の疑いがありますし、故郷の越谷が汚されるのを見て、怒りと悲しさを感じています。

(写真2)越谷市某所で、23年12月23日に出た火と煙。違法な「野焼き」らしい。クルド人経営と見られるヤードの方向だったという。(住民提供)

危機感を持つ市民の皆様、市議会議員、県議会議員、地元選出の黄川田仁志衆議院議員などと動いています。しかし問題が大きく、力不足に苦しんでいます。市民の皆様の不安が解消されず、心苦しく思っています。一部のヤードでは、撮影や抗議をしようとする住民を取り囲んで威嚇する外国人がいます。彼らは警察にも行政にも萎縮せず、問題行動を改善しません。異様な印象があります。

問・外国人のヤード開設は解体業をするクルド人によるものが多いのですか。

そうです。もともと川口市に集住していたトルコ国籍のクルド人が、2021年ごろからヤードを越谷市に置くようになりました。彼らは解体業に従事していますが、川口市でヤードの規制条例ができたことが影響しているのかもしれません。私は本業が土地家屋調査士、行政書士ですから、情報が早めに入ってきます。そのために市内の不動産関係者に注意を喚起してきました。

(写真3)越谷市内のある場所に突如建設された外国人解体業者経営のヤード。中で何が行われているか分からず、住民は不安を感じている(筆者撮影、24年7月)

もちろん外国人が住み、ビジネスをすることを否定するわけではありません。しかし一部の外国人経営の解体業のヤードは、隣の川口市など他地域でトラックの暴走や不法投棄など、迷惑や違法行為の拠点になっている場合もあります。私は越谷市の不動産関係者や市民の方に、「土地を貸す場合や売る場合には、外国人の身元や目的を確認し、適正な行動をする人と取引してください」と、当たり前のことを言ってきました。

(写真4)山積みとなった産廃。黄色い袋は、アスベスト用の袋の可能性(筆者撮影、24年7月)

「ヘイト」と組織的攻撃を受ける、朝日新聞も仲間か?

問・立澤議員は昨年11月に「クルド系解体業から農地へのヤードの転用を依頼されたが断った。外国人に安易にヤードを貸すことはやめよう」という趣旨の呼びかけをXで行いました。ところが「クルド人へのヘイト(憎悪の表明)をした」と、朝日新聞に直後に報道され、埼玉県の行政書士会から一年間の会員資格の停止処分を受けました。私は当たり前の呼びかけだと思います。それで糾弾されるのはおかしいと思います。経緯を説明してください

立澤・その指摘の件は非常に残念です。私が投稿を削除しなかったからです。ただ言葉足らずな面があり、その点は反省しています。

ただし、おかしな点も多くありました。私のXでの投稿直後に、埼玉県行政書士会に、大量の苦情電話とメールがあったそうです。そして、すぐに朝日新聞が記事にしました。それで行政書士会が、急に処分をすることになったのです。そして私の投稿に越谷市民の皆様からの批判はほぼありませんでした。

問・その抗議はクルド人からでしょうか。日本の特定の政治勢力からでしょうか。また朝日新聞が、そうした勢力と一緒に動いているのでしょうか。朝日新聞は人権問題で活動家を利用し、また利用されています。

それは分かりません。しかし外国人問題を、政治家が発言すると、過剰に批判する人たちがいます。これは非常に危険なことだと思います。

市議会議員、県議会議員に、この問題で外国人の人権ばかりを語る、おかしな、そして不思議な人たちがいます。私が問題を取り上げると、私の発言を批判するのです。それなのに外国人の行為を直そうとする行動は何もしません。問題の本質は、困っている日本人、越谷市民を助けることです。もちろん外国人の人権は大切ですが、越谷市民の人権を守ることを、第一に行うべきでしょう。

批判が強くなると、外国人問題で「ものを言うこと」ができなくなり、人々が発言に萎縮してしまう。すると、その問題が社会的に取り上げられず放置され、悪化する場合もあるでしょう。越谷市の外国人問題でも、そうしたことが起きることを懸念しています。

ただし越谷市民の皆様、不動産業界の皆様はしっかりした方が多く、問題の解決に協力的です。

「性善説」で作られた国の制度

問・越谷市はどのような対応をしていますか。

立澤・市議会と市役所が協力して越谷市ヤード規制条例を昨年作り、今年7月1日から施行しています。ヤードの設置や運用の条件を厳しくし、違反者の罰金を法律より上乗せしています。それを厳格に運用し、国籍を問わず違反業者の改善指導を行政に求めていきます。問題になっている西部のある地区の産廃の山は周辺の解体業者と共に、現時点で市が調査をしています。

また市議会の有志が、住民の皆さんの意見を集め、埼玉県警本部、越谷警察署、市役所と協議しています。ただ実際に解決のために、さまざまな問題があります。

(写真5)ゴミが散らかる外国人経営と見られるヤード、特定を避けるために一部加工(筆者撮影)

問・何が問題なのですか。

国の仕組みの問題、越谷市特有の問題があります。国の外国人関連の政策と法律、いや刑事関係の法律と政策はみんなそうかもしれませんが、「性善説」で作られています。

良い人がたまたま悪いことをした。罰を受ければ、おとなしく罪に服し、改悛する。その結果、悪いことをしなくなるとの発想が貫かれている。ところが外国人の中には最初から法律を破る、日本の司法権力を無視するという意図で動く悪い人が一部います。そうした悪意の人に、現在の法律は対応しづらいのです。

さらに外国人問題への対応が、縦割りになっています。警察や労基署、税務署に外国人問題の管轄が分かれます。さらに行政でも国、県、市に権限と仕事が分かれる。市議会議員の立場から、行政機関に働きかけようとしてもその調整、陳情だけでも大変です。

外国人に「慣れ」のない日本人

問・それでは越谷市特有の問題とは。

立澤・越谷は農村地帯が宅地に転換した場所です。市街化調整区域が市面積の52%あります。この割合は埼玉県でトップクラスです。そうした土地は収益化が難しく、地主が貸したがる、売りたがる面があります。また相続でそうした土地を取得して、越谷市の状況を知らずに貸してしまうこともあります。

川口市でも、そうした場所にヤードが集まっていますが、越谷市でも同じことが起きています。調整区域を整理する必要があるでしょう。

(筆者注・市街化調整区域とは、市街化を抑制する地域。人が住むための住宅や商業施設などを建築することにはさまざまな規制がかかり農地から転用しづらい。)

また越谷市の市民の気風として、おっとりして、いい人が多いです。古くからの人も、新しく越谷に住んだ人も、外国人に慣れている感じがしない。そのために外国人の行動を誤解することもあるだろうし、協調を最初から考えていない外国人がやってきた場合に適切に対応できないでしょう。

問・市当局も外国人に慣れていないのでしょうか。

そのような印象を受けます。市役所も、しっかりと問題を把握し、危機感を持つ職員がいる一方で、全く外国人と治安の問題を理解していない人もいます。

そして立憲民主党系の福田晃越谷市長が、外国人問題を全く理解していないのです。私が市議会で質問しても、外国人問題に限らず、いつも答えがずれます。そして外国人問題ではそもそも何が問題なのか、彼はわかっていない。これによって隣の川口市が大変な状況になっていることを知らない、調べようとしない。欧州などで、移民や難民によって治安が影響を受けている問題を知らないようです。

越谷市は問題が山積しています。治水の問題、老朽化したインフラや地域設備の問題、大きすぎる市街化調整区域の先行きの問題などです。越谷の未来を見越して、どのように再開発をするかを考えなければなりません。ところが市長は全て先送り。そもそも、越谷の未来をどうするかのビジョンがない。それにクルド人・外国人問題が加わったら、大変な混乱が市に広がってしまいます。なんとか解決をしなければいけません。

縦割りをなくし、行政の同時対策を

問・ではどうすれば良いのでしょうか。

立澤・行政の縦割りをなくし、それぞれの関係者が持ち場ごとにできることを協力して同時に対策をやることが必要と思います。

国の役割は外交、入管、税、労働、県は解体業、産廃業、警察を管轄し、市は土地の利用の許認可を持ちます。そして各段階の議会が行政を監督し、予算と制度を作る形で関与しています。外国人と治安の問題で、これを総合的に、情報共有を行い、同時に行動や取り締まりを行う仕組みを作れないか、今検討しています。

悪い業者は、そもそもそうした自治体に入り込めないし、事業をしたとしても、改善か廃業かを迫られます。一度に行うことで効果は上がります。

そして今起きている外国人と治安の問題を、行政を動かして早急に解決しなければなりません。市西部のある場所の産廃の不法投棄、そして不法・迷惑行為をする解体業者の問題は、市役所の調査を速やかに終えてもらい、県と警察に告発してもらい、刑事・民事での対応を求めていきます。

問・民間の側でできることはあるのでしょうか。

外国人を排除する、嫌がらせをする差別行為は許されません。しかし秩序を破壊する人は日本人であろうと、外国人であろうと、地域住民の手で拒絶する必要があります。越谷市では、不動産業界の皆さんは理解があり、そうした人に土地を貸さないなどの自主的な取り組みが続いています。

しかし隙間を突いて、外国人に不動産を貸したり売ったりして、その外国人が問題を起こしている例が出ています。きっちりと買い手を審査し、また責任を持ってそうした人を管理する必要があるでしょう。

今後、日本では外国人の数が増えます。その中で、埼玉県南東部で今進行している状況は、多くの市町村が今後経験するでしょう。越谷市民の皆さんと共に、外国人との向き合い方の良い成功例となるように、この問題を解決したいです。

石井孝明
経済記者 with ENERGY、Journal of Protect Japan 運営
ツイッター:@ishiitakaaki
メール:ishii.takaaki1@gmail.com

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5 件のコメント

  1. 米島弁 より:

    行政や警察に委縮しない彼らの姿は、他の記事でもたびたび出て来ますが、恐らく祖国にいた頃の彼らは、それらに委縮するようでは生きて行けなかったんでしょうね。逆に言えば、祖国の行政や警察も、市民からauthorizeされていない脆弱なものだったり、或いは、クルドにとって完全に敵だった等々…。つまり、国や自治体の統治や地域社会の秩序の感覚が我々と違っていて、彼らにとってauthorizeされた統治者は、クルド人のボスなんですよね。

    • H.H より:

      おそらく、クルド人のリーダー格と思われる人物に心当たりがあります!
      ABEMATVなどで悪態をついたクルド人です
      確か名前は、マヒルジャンという人物です。
      埼玉県川口市で、株式会社マヒルという解体工の会社の社長をしているみたいです。

  2. サンボ より:

    今、何とかしないと日本を守れないと思います。ヨーロッパ人は人権に惑わされて、30年後はイスラム化されるでしょう。白人狩りが始まると思う。そんな愚行に日本も習う必要はありません。帰化人の政治家、マスコミが日本をミスリードさせてます。これは立派な犯罪行為だと思う。負けないように、日本人が団結して頑張りましょう!

  3. 朝焼け より:

    経緯や制度がどうなっているのか分かりませんが
    行政書士会や朝日新聞に異議申し立てをした方がいいのではないでしょうか
    そうでなければ今後も同じような事が起こった時、資格停止を恐れて声を上げにくい社会になっていくのではと思います
    不法行為をする外国人に対する注意喚起がヘイト扱いされるのはおかしいですよ

  4. 新しい戦前 より:

    https://www.sglsa.jp/wp-content/uploads/d55c9bed70263c7c2d1ba5bb0835b179.pdf
    このバカげた声明は売国士業の現れです。
    憲法14条のどこに「国籍による差別を禁ずる」と明記されているというのか。
    トンデモ解釈も甚だしい。日本国憲法は国民に「禁じる」などとは謳っていない。すべての「国民」は人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、差別されないと宣言したものである。「外国人」が差別されない、「外国人」を差別することを禁じるなどとは度外である。
    まったくもって呆れた憲法解釈をする会長である。

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