違法外国人を支援する不思議な政治家たち-日本保守党・島田議員に聞く

目次
常識に基づく外国人管理政策を
7月の参議院選挙は外国人への対応が争点になった。違法外国人問題への適正な対処を主張した日本保守党は2議席を獲得した。衆議院法務委員会に属する同党の島田洋一衆議院議員に、外国人管理政策についての考えを聞いた。(取材は選挙前の6月初め)
島田議員は、外国人の権利ばかりを認める議員や政府に、「異様さ」を感じているという。そして日本が政策を変更し、世界で起こりつつある移民規制という「常識への回帰」に連なる期待を述べた。
島田議員は福井県立大学名誉教授で国際政治論、保守派の論客で、拉致問題の救援活動で知られる。24年10月の衆議院総選挙において日本保守党から出馬、近畿ブロック比例代表で当選した。議員活動での鋭い議論は、SNSで拡散され注目を集めている。
日本保守党は24年に結党したばかりだが、当初から違法外国人問題、偽装難民問題の解決を求めている。25年7月の参議院選挙では比例代表で298万2093票と全投票者の5%を確保し、日本共産党を抜いた。
法務委員会でのおかしな風景
―衆議院法務委員会での審議が島田議員の質疑で注目されていますが、そこではで外国人を助けろという議論ばかり。あきれる声が広がっています。
島田・一般国民の常識から見ると、衆議院の法務委員会の議論はおかしいですね。日本人ではなく外国人の人権ばかりを配慮する人たちがいます。一方で与党の自民党・公明党は自画自賛ばかりです。一部の外国人による違法行為や迷惑行為で、国民の間に治安悪化への不安が高まっている。その現実を国会議員が見ようとしない。「おかしい」と常識から発言する議員はほとんどいません。
自民党保守派の議員は外国人問題でも口だけで結局、行動をしませんから。他の減税問題やLGBT問題にしてもそうです。日本政府は、「移民ではない」と言いながら、外国人労働者を増やすごまかしの政策です。議員らは、政府や自民党の権力者に配慮して外国人問題に取り組まないのでしょう。
―なんで政治家が変な議論をするのでしょうか。そうした政治家の動きに政治や国会の動きに行政は影響を受けるのでしょうか。
私も理解できません。人権に配慮しなければならない、外国人はかわいそうな存在という変な思い込みが強くて、常識や国民の声を聞くことを忘れているのでしょう。官僚の力が日本では強いと言っても、政治の動きは、もちろん行政に影響を与えます。さらに法務省・出入国在留管理庁(入管)の中には、政府や野党の外国人受け入れ拡大に同調する動きもある。
私のような、違法外国人を取り締まれという異論を示す人間が国会にいて、質疑をすることで、歯止めになっています。選挙に配慮したのでしょうが、政府は今年5月の「不法滞在者ゼロプラン」を出しました。これを出すときに、法務省の内部の人から、「島田議員と支援者の発信で外国人管理強化の声があることが可視化されています。支援になりました」と言われました。
―この「ゼロプラン」をどう評価しますか?
その実行を支援します。しかし中身を見ると、実行のスピードが遅すぎる。現在難民認定の判断までに22ヶ月もかかっている。それを30年度に6ヶ月にするという。また昨年末に強制送還が確定した滞在は3122人もいる。これを30年末までに半減させるという。現在、不法滞在者の数は7万人以上います。いつになったら解決するのでしょうか。
「遅すぎる」と鈴木法務大臣に質問すると、手が足りず、専門担当者の育成には時間がかかると弁解しました。だとしたら、「この不法滞在者の増加をもたらしている外国人の労働者や滞在者をなぜ減らすことをしないのか」と聞いても、そこには踏み込まない。
政治と行政の外国人問題での連携は、ほとんどないですね。そもそも、外国人政策を総合的におこなう部署さえない。違法外国人の取り締まりが外国人政策の前提ですから、その実行を加速させます。(注・24年7月にようやく「外国人との秩序ある共生社会推進室」が内閣官房にできた)
―自民党は25年6月に、「違法外国人ゼロ」プランを発表しました。法務省案に上乗せして、外国人の簡単に取れる運転免許制度の見直し、土地の外国人購入の規制、外国人の社会保障のただ乗りの見直し、経営者ビザの見直しが柱になっています。またクルド人問題が深刻になる埼玉県川口市を幹部が視察するパフォーマンスをしました。
「なぜ今になって」という、不快感を持つ国民が多いでしょう。土地取得問題などは、10年以上前から、問題にされたものです。選挙で争点になりそうになると、急に取り組んだようにしか思えません。
外国人受け入れ、日本の利益になるのか?
-外国人労働者の受け入れは、結局、公的負担が大きく、社会全体で考えるとおそらく損になるのでは。
おそらくそうなるでしょう。大抵の場合に、外国人労働者によって利益を得るのは安い賃金で働かせる企業、その外国人だけになります。その他の公的負担が多くなるでしょう。不法滞在者はなおさら負担がかかります。欧米で今起きていることです。
外国人労働者を受け入れることは、その人の人生を引き受けるということです。労働力だけ提供してもらうわけではない。家族の生活、子供の教育、老後の年金など、その人たちが、これまで日本人が作ってきた公共サービス、日本国民の税金を使う場合もある。いい加減な気持ち、準備不足で扱えば、その外国人の人権も侵害することになります。受け入れに慎重になるべきなのは当然です。
-入管の負担増など、日本の納税者の負担が増えかねません。
外国人の管理で、納税者の負担を減らすことも考えなければなりません。例えば強制送還者を出した国には、その国に費用を請求する。偽装難民が多い国には、取り締まるように外交的圧力をかける。外国人でも日本人でも、不法に利益を得た人間にそれを吐き出させる仕組みを作る。実際に米トランプ政権は、そうした政策を行っています。
しかし、なぜか日本の外務省は動かない。自民党の参議院議員である生稲晃子外務政務官が今年(25年)2月にスリランカの外務大臣と会談しました。スリランカは今、難民申請者がトップだが、その認定率は低い。多くの申請者は偽装難民の疑いがあります。それを解決するように議論をすればいいのに、彼女に法務委員会で何を話したのか聞いたら、その問題の議論を何もしなかったそうです。人と会ってニコニコ話をすることが外交と思っているのでしょうか。呆れます。
日本は世界でもトップクラスの金額の対外援助をしていますが、それを戦略的に活躍しない。そうした経済援助は、利権につながるので、減らしたくないのかと勘繰ってしまいます。こうした問題にも、提言、メスを入れたいです。
司法の問題、LGBT法の悪影響
―難民をめぐる司法判断も奇妙なものが多いです。性的少数者LGBTであることを理由に難民認定をチェニジア人30代の男性が認める判決が今年25年3月に出て、法務省は上告を断念しました。23年3月にはウガンダ女性の難民が認められています。
私は、LGBT偽装難民が押し寄せると危惧しています。私は上告すると同時に、速やかに法律の改正などを求めたのですが、鈴木法務大臣は動きませんでした。もちろんLGBTで本当に命の危険に晒される人もいるでしょう。しかし欧米では、このLGBTであると偽って難民として入国する事例が増え、規制に動いています。日本だけ緩めると、そうした人たちが日本に集まりかねません。
なぜか日本は欧米の失敗を繰り返します。日本ではLGBT理解増進法という、社会を混乱させる法律も2023年に施行されています。司法の過剰な外国人の人権配慮も問題にするべきと考えます。
―世界で移民問題の大きな揺り戻しがきています。日本はどうするべきでしょうか。
私は「常識の回帰」が起きているにすぎないと思います。なんでも人権に結びつけ、社会の多数派の権利や慣習を壊しながら、他者の権利を認める動きが世界でこの20年ほど続いてきました。しかし、最近になって、明らかに逆回転が起きています。欧米では移民・難民の大量流入が問題になり、日本保守党と同じような立場の新しい政党が、勢力を伸ばしています。第二次トランプ政権の活動も、そうした世界史的な流れの一環でしょう。日本でも、そうした動きが始まっているものの、まだ本格的ではありません。
私たち日本保守党の目標は「日本を豊かに、強く」です。それは、どの政治立場の人も合意できる内容でしょう。日本を豊かにしてもらえる人材、そして経済的に自立し、共生できる外国人なら歓迎します。しかし外国人の数の抑制と管理が前提です。当たり前のことですが、その当たり前さえ、日本の外国人政策はできていません。
難民についても、本当に命の危険に晒されている人たち、例えば中共に迫害されるウイグルなどの少数民族などは当然保護するべきです。ところが日本政府は、メリハリをつけず、偽装難民の疑いのある人までも読んでいる。列を並んでいるところに乱暴者が割り込むのと同じで、真面目な外国人、苦しむ本当の難民にも迷惑をかけています。
ようやく国民の声で、違法外国人や外国人管理の法整備、そして厳正な適用が進む状況になりつつあります。日本のために外国人材をどのように使うのか、国民の合意や議論を始めるべきでしょう。今の自民党政権のように「移民政策ではない」と詭弁に基づく政策、議論からの逃亡を行うべきではありません。おかしな理想論ではなく、事実に基づいた議論をするべきです。政治がそれを先導するすべきですし、私も国民の皆様の支援をいただきながら、この問題で頑張ります。
石井孝明
経済記者 with ENERGY、Journal of Protect Japan 運営
ツイッター:@ishiitakaaki
メール:ishii.takaaki1@gmail.com
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6 件のコメント
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これぞジャーナリスト、私は石井さんにとても感動しております、硬派のプライドと執念に乾杯です。これからも沢山掘り起こして下さい🇯🇵応援してます。
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レイプ犯ハスギュル=アッバス、取材に答えて見事に墓穴を掘る(笑)
https://www.dailyshincho.jp/article/2025/08300701/ -
広く一般の方々にお二人の存在が知れ渡る事を期待しています。
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石井さん良い記事をありがとうございました!
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高市早苗さんの総裁選での演説
「毎年毎年、私たちと文化や何もかもがあんまりにも違う人たちをまとめて入れていくということ。この政策はいったん考え直さなあきません。経済的な動機でやって来て、難民を主張する人、きちんとお帰りをいただきます。また不法滞在の人たちにも厳格に法律を守っていただきます。」
「『公正や公平を重んじて、おかしなことを野放しにしない』という、そういう決意でございます。」
昔議員になる前から注目していた方で頼もしいですが 彼女を極右扱いする極左を見ていると故・石原慎太郎氏が都知事になった時の何倍かの敵対的リアクションが容易に予想出来 支持者も本気で支えねば…です
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尖閣国有化の際にもっと危機感を持って備えるべきでした。中国は本気で日本を滅ぼしに掛かって来ています。最近選挙の度に中国系の帰化人が立候補するのもMSS(中華人民共和国国家安全部)の差し金です。実際オーストラリアでは立候補を拒んだ中国系オーストラリア人が抹殺されています・・・
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