クルド人に「送還のお知らせ」配布ー入管法施行で何が起きているか

ジャーナリスト

(このたび、外国人問題、経済安全保障問題のサイト「Journal of Protect Japan」を立ち上げた。エネルギー、環境政策の解説を行う「with ENERGY」と共に、利用いただきたい。双方向のやり取りを期待する。意見、感想をぜひ寄せていただきたい。)

改正入管法が6月10日に施行された。埼玉に集住するクルド人らの仮放免者に「送還に関するお知らせ」が配られ、虚偽の難民申請を繰り返して日本に居着く人の帰国が増える可能性が出てきた。在日クルド人は埼玉県でトラブルを多く起こしており、その集団が日本人が共生することは不可能と私は考えている。こうした取り組みで彼らの数が大幅に減ってクルド人集団が解体に向かい、埼玉県に平穏が戻ることを期待している。

「あなたに退去命令が発せられました」

日本には、外国人の管理で「仮放免」(かりほうめん)という制度がある。送還前に、入管施設の外に一時的に居住する制度だ。ところが日本の出入国在留管理庁は積極的に外国人を強制送還しない。また一部の外国人は難民申請を繰り返して、日本に居着き禁じられた就労をしてしまう。その手口は、クルド人が集団で多用してきた。

今回の入管法改正で難民申請は原則2回までとなる。そして仮放免は病気などに限定され、行政や監理者による監視を厳しくした制度になる。

仮放免者は1−2ヶ月に1回、入管に出頭しなければならず、帰国を促される。関係者によると、数ヶ月前からクルド人など外国人の仮放免者に、この入管法改正の予告が行われた。そして改正入管法が施行された6月10日以降に入管に出頭したクルド人に「送還に関するお知らせ」という案内が配布されているという。入管が「退去のための計画を策定」し、「送還予定時期の説明を行った上で強制的に送還する場合があります」といった文言がその案内に記載されているそうだ。また監理人を決めないと、送還されることが伝えられている。クルド人問題で動きが鈍いと批判されてきた入管がようやく動いた。

強制送還が決まった場合の文書も手渡されているという。これを持つ人に送ってもらった。(写真1)在日クルド人は何人いるか不明で日々変動するが、現時点では埼玉と関東全域で不法滞在を含めて最大で4000人程度と思われる。クルド人と称して同じ方法に居残り解体業をするトルコ人もいるようだが、ここにはそれも含める。こうした仮放免者がトルコ国籍者で埼玉県川口市に700人ほどいることは、出入国在留監理庁が同市に通達した。全員をすぐに強制送還できないだろうが、増え続けた数がようやく抑制できるようになった。

(写真1)入管が強制送還の対象者に配布している文書

収入源の解体ビジネスに悪影響か

彼らの解体ビジネスの多くは、経営層が同胞のクルド人を不当な形で働かせる仕組みで成り立ってきた。クルド人解体工は、無保険で、危険な作業をし、安く使われてきた。また工事も危険で、手抜き、廃棄物の不法投棄、不法運搬が多いようだ。それでクルド人解体業者は安い値段で受注ができた。クルド人の労働者が日本に入国できず、また送還され、その仕組みが止まる可能性が出てきた。そうすればビジネスが縮小し、出稼ぎである彼らは日本に愛着もないし、トルコに帰っても迫害などされないので、帰国が増えるだろう。またそれはクルド人の安全、人権を守ることになる。

彼らの大半は変わらない。入管法が改正されても、危険運転をするクルドカーは関東を走り続けている。そして改正後に、クルド人がTikTokで、解体現場で女性が工事用の機械を運転する映像を公開していた。(写真2)サンダル履きで、ヘルメット、防塵マスクなどの安全対策をしていない。こういう重機は使う場合に免許が必要だが、それもないだろう。こうした不法行為をSNSに晒して自慢する。かなりおかしな人々だ。彼ら解体業の多くは、こうした遵法意識がない。こうしたクルド人解体業者がなくなっても、日本は困らないし、日本人の安全が守られる。

(写真2)TikTokに掲載された違法行為と思われる女性の工事重機の運転

少し静かになったクルド人たち

この入管法改正後の、埼玉県南部の状況を、川口市民とクルド人コミュニティの関係者に聞いた。

川口市ではクルド人への、いじめや、ヘイト(民族への憎悪行為という意味か?)は川口にはほとんどない。小中学校に通うクルド人の子供らは、自分や親族が強制送還される恐怖を、日本人の級友に語っているという。ただ日本政府は甘いので子供は就学期間は、親が不法滞在でも特別のビザでいられるようになった。

入管法改正に合わせ、珍しくTBSの「報道特集」が6月8日にクルド人問題を取り上げた。しかし「クルド人へのヘイト」を伝えたため、埼玉ではTBSとメディアへの怒りが再び広がっている。

改正入管法の施行でクルド人で強制送還によりいなくなったという人は、現時点で聞かれない。ただし、本当そうかどうかは日本人は完全にはわからない。入管法改正前後から、クルド人が夜歩く姿は減り、たむろ、騒ぎは減っているらしい。クルド人らは日本で孤立して日本人のことを配慮しなかったが、埼玉県民の声と批判はようやくクルド人に届いたようだ。やはり「力」を威嚇しないと、他民族に日本の意思は伝わらない。

ただし強制送還されそうなクルド人が、やけになって深夜暴走をした例があったらしいという、関係者の声があった。クルド人は1980年代の古いヤンキー(不良)に気質が似た面がある。「40年前に卒業式で暴れた不良中学生みたい」と指摘したら、その関係者は笑っていた。

在日クルド人はこれまで、大きな事件があると、2−3週間は静かにしているが、その後に再び騒ぎ出す。今回もその可能性を警戒するべきであろう。

また弁護士たちが、極右が攻撃したり、強制送還などに直面するクルド人たちに、「日本人を訴えませんか。割引します」「日本政府を訴えませんか」などと、営業活動をしているという。名前は言わないことにする。私に話をしてくれたこのクルド人は関わりたくないと逃げたそうだ。読者の方も、関わりを持つ人も注意をいただきたい。こうやって争いを作り出して儲ける倫理観の欠けた一部弁護士の存在にうんざりする。ちなみに訴訟を煽ることは弁護士法違反で懲戒の対象になるという。

暴動を警察は警戒、監視の必要

今だからいうが、警察庁(自治体警察の上部組織)と入管は、自民党の有力政治家に「改正入管法をしっかり施行する」「ただし外国人が日本人の極左活動家と共に騒乱を起こすことを警戒している」と説明していたという。特にクルド人は粗暴な行為が多く、日本の極左暴力集団とつるんで2020年5月に渋谷警察署にデモを仕掛けるなど警察に敵対的だ。しかし現時点ではそうした問題は起きていない。これは安堵できる。ただし、その警戒と監視は続けるべきだろう。

(映像)渋谷署に押しかけたクルド人、極左暴力集団。それとつるんで報道する毎日新聞の映像(リンク

クルド人側も少しは自制の動きがある。ある経営者が今回の法改正をトルコ語とクルド語でSNS上で説明していた。トルコ語話者に翻訳してもらった。「ルールを守れ」「近所の人とうまくやって嫌われるな」「暴力を振るうおかしな日本人もいるので気を付けろ」「ネットでの悪口は気にするな」と常識的なことを述べていた。

このクルド人は私の知った人で、普段の行動でおかしなところがある。「解体業をクルド人が担っており、日本人に期待されている。彼らがクルド人を帰さない」とも言っていた。そうした解体業関係の日本人はお世辞を言っているだけだろうが、それに気づかない。埼玉県でクルド人に接する日本人の多くは、彼らにいなくなってほしいと考えている。ただしクルド人の中にも、この入管法改正を警戒し、自制、自省する動きがあるようだ。それは歓迎したい。

改正入管法の厳格な適用を

私が昨年5月からクルド人問題を取材して1年が経過した。最初はクルド人との共生を唱えていたが、今では無理だと思う。彼らは日本人に配慮できず、問題行為があっても全く変わらない。そして私は受け入れに転換した日本の移民政策にも反対だ。日本は制度の面でも、心理的な面でも、外国人の大量移住の準備ができていない。実は私も1年前までは移民に消極的賛成だったが、現実のクルド人問題を見て考えが変わった。クルド人は移民ではないが不法滞在者の彼らさえ管理できない日本政府が、大量の移民など管理できるわけがない。合法滞在資格を持つクルド人が日本にいてもいいが、まず数を減らしてクルド人集団を一回解体する必要があると考える。

今でも外国人と「共生」できると考える、おめでたい人たちがいる。そもそも国の行政トップの岸田文雄首相がそのようだ。現実を、特に埼玉のクルド問題を見ればいい。共生は不可能で、この問題にこれまでの日本の政策の失敗が詰まっている。私は現在の入管法でも「甘い」と思っている。強制送還を促進し、入国審査を厳格化するように、さらなる見直しを求めたい。

ただし外国人の問題でどのような立場に立とうと、今現在で日本の法律を厳格に適用することに誰も異論はないはずだ。まず改正入管法を厳格に適用し、不法滞在者、そして虚偽の難民申請者を減らすべきだ。そうした人の多いクルド人のコミュニティが打撃を受けても仕方がない。

私たちは埼玉に平穏を取り戻し、日本人の人権が外国人によって侵害されないことを、クルド人問題、また外国人問題の政策目標の中心にすえるべきだ。

石井孝明
経済記者 with ENERGY、Journal of Protect Japan 運営
ツイッター:@ishiitakaaki
メール:ishii.takaaki1@gmail.com

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3 件のコメント

  1. 米島弁 より:

    なかなか読み応えのある記事で、興味深く拝読しました。「6月10日を境に何が変わるのかな?どんな動きが始まるのかな?」と色々考えていましたが、動きや変化の足音は聞こえるようですね。但し、一般論として行政の対応は、合法性と能率性をバランスさせながら進めていくので、法を「厳格」には適用しないんですよねぇ。法自体も被害に遭ったり迷惑を被っている方々の希望を必ずしも体現していないので、どうなるんでしょう…

  2. 韓国は 夜郎自大の 超大国 より:

    全く同感です 言いたいことを石井さんが全て述べてくれました

    クルド問題は国会でも取り上げられ 改正入管法が施行となったことで潮流としては大半が強制帰国という方針で帰結するでしょう しかし非文明的な刑法犯が多いベトナム人や偽の難民申請で先進国移住を狙うスリランカ人等 これまでの問題ある途上国人と比べてもかなり粗暴だったクルド系に対してさえこれほど対応が遅く 微温的な措置しか取れずに来たことは入国管理政策への不安と不信を募らせます

    まさにそうした悪例を定着させたい反日極左勢力はこれからも人権を盾とする偽善戦術で騒ぐでしょうね 彼らはごく少数のくせに組織力・行動力では我々よりも上ですから

  3. きしめん より:

    同じ移民でも、イスラム系と仏教国では全然違います。またイスラムの中でもインドネシアとクルドでは大きな差がある。

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