テロリストの主張は黙殺せよー毎日新聞「など」への苦言
目次
重信元幹部の主張を垂れ流した毎日新聞
毎日新聞が日本赤軍の重信房子元最高幹部の独占インタビューとする記事を流した。日本赤軍がこれまで起こしたテロを肯定しかねないものであり、私はこの行為を強く批判する。
毎日新聞の記事はネットでは以下の通りの見出しだ。リンクはしない。
「上・重信房子氏 「人間ひとりひとりとは必ずチャンネルを合わせられる」(12月27日)
「下・重信房子氏 「もっと違う形で闘っていたら、こんな社会には…」」(12月28日)
私は読んでみたいと思ったが、やめた。毎日新聞が有料にしていたため、購入すると同社の行動を認めかねないためだ。そしてこの見出しを見る限り、重信元幹部の異様な主張をそのまま無批判に垂れ流した記事と思ったからだ。殺人に関与して「他人にチャンネルを合わせられる」とは異様だ。そして、この言葉を記事にできる毎日新聞の社内の人々の倫理観を疑う。ここまで協力する既存オールドメディアは、会社としては私は知らない。
重信元最高幹部は77歳。国内、国外でテロ活動をした日本赤軍のメンバーとして活動した。1972年5月30日に、イスラエルの空港で銃が乱射され、26人が死亡、73人が負傷したテロ事件(テルアビブ空港乱射事件)や、その他の事件に関わったとされる。1974年にオランダのハーグで起こしたフランス大使館占拠事件(ハーグ事件)で、逮捕監禁罪・殺人未遂罪の共犯で懲役20年の有罪判決を受け、22年5月まで服役していた。
彼女は、一連の行動を改悛していないし、また自己批判をしていない。また一連のテロと自分の詳細な関係、現在も続くパレスチナ過激派のテロを供述していない。もし報道の価値があるのなら、各事件の真相の解明に役立つ点のみだろう。
毎日新聞の日本赤軍への共感は、他の報道でも
警察庁は、テロリズムについて「広く恐怖又は不安を抱かせることによりその目的を達成することを意図して行われる政治上その他の主義主張に基づく暴力主義的破壊活動をいう」(警察庁組織令39条) と定義している。つまりテロは政治主張と暴力を伴うものである。その実行者の主張を広げることは、そのテロを支援することだ。重信元最高幹部は、かつて「テロリスト」と呼ばれる行動をし、今もその反省がないために、その表現で形容できるだろう。毎日新聞は、その見解を無批判に、メディアとしての拡散力を使って垂れ流すなら、テロリストの同調者だ。
毎日新聞はテロと日本赤軍に肯定的な報道を続けている。22年12月24日には「安倍氏銃撃容疑者モデルの映画、「完成版」上映始まる 朝から列」と、日本赤軍の経歴がある監督が作った、安倍氏暗殺を肯定する映画のPRといえる記事を掲載した。昨年21年5月30日には「「パレスチナ人葬る企み」元日本赤軍・重信受刑者が主張」という記事を掲載。この監督と、宮台真司東京都立大学教授が出席した空港乱射事件の49年目を賛美する集会で、当時服役中の重信元幹部のメッセージをそのまま掲載した。同幹部はテロ50周年に「共に乾杯することを願って」としていた。人が死んでいるのに、乾杯などという言葉を使う重信元幹部と、それを記事にして書き残した毎日新聞記者の倫理観に呆れた。
「テロリストに何も与えない、名前もだ」
22年7月、安倍晋三元首相が、テロによって暗殺された。気の毒で悲しいことだ。この悲劇は、安倍氏に対する暴力的な批判、反感の醸成の中で生まれたと思う。テロを肯定することは、その連鎖を産みかねない。(私の警告を述べた記事。「テロを「成功」させた岸田首相-統一教会騒動をやめよ」)
実際に、安倍氏の殺害を「世直し」と言った、宮台真司氏が、暴漢に襲われた。(私の警告を述べた記事「安倍氏暗殺「世直し」と叫ぶ宮台真司氏ら、自分への暴力に何思う?」)
テロリストの主張を広めてはならない。対応法は一つ。無視することだ。
ニュージーランドは2019年に、イスラム過激派のテロに直面した。ジャシンダ・アーダーン首相は、議会演説で犯人の名前さえ呼ばなかった。そして次のように話した。「ニュージーランドは(犯人の)男に何も与えない、名前もだ」「むしろ命を奪われた人たちの名前を呼ぼう」。(NHK記事)
重信元幹部の出所を歓迎する勢力、メディアの動きに、イスラエルのラッド・コーヘン駐日大使は「ショックを受けた」という遺憾の意を、SNS、メディアで示している。外交官らしい品の良い言葉で隠しているが、日本赤軍のテロ被害者のイスラエル人として言いたいことは、もっとあるだろう。私は日本人として恥ずかしい。
重信元幹部の行動を肯定する人は、中東における唯一の民主主義国、日本の友好国であるイスラエルの人々、日本赤軍によるテロ犠牲者のことを考えるべきだ。上記乱射事件では、イスラム教徒、キリスト教徒も被害を受けている。
コーヘン大使はメディアの取材でこう答え、アンダーセン首相と同じ認識を示した。これが世界の普通の考えだ。(夕刊フジ記事「テロと対峙する姿勢を世界に示すとき」)
「私たちが尊敬し語り継ぐ日本人がいる。日本のみなさんも、テロリストではなく、真の英雄を顕彰していただきたい」。コーヘン氏は、先の大戦で、欧州のユダヤ人にビザを発給してナチスの虐殺から救った外交官・杉原千畝や、日本で支援にあたったヘブライ文化研究者・小辻節三らの名前を挙げ、「どちらが平和を重んじ、命を救ったかは明らかだ」と語る。何も付け加えることない。また良き日本人をイスラエルの人々が覚えていてくれることをうれしく思う。
実利の面からもテロ容認は損をする
毎日新聞などテロを賛美する人たちは自らの行動を恥じてほしい。徹底的に黙殺することに転換してほしい。テロリストの主張を広げることは、社会を壊していくのだ。
そして実利の面からも、テロの支援は損をする。毎日新聞は今経営危機に直面している。同社はテロを容認する極左の人たちには、喜ばれているのかもしれない。しかし、99.9%の賢明で健全な日本人は、冷たい視線を向けている。私が見る限り、重信元幹部のインタビューに成功しても、一般読者から毎日新聞の経営を助けようという意見がまったく出てこないではないか。健全な日本では、テロを容認するなどのおかしな行動は社会から孤立していく。
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